2015年4月29日水曜日

似非プレイ記 サンダーストーン渓谷(ルニルの日記)

  ※ ドヴァキンかも知れないしそうではないかも知れない、冒険者として生きていける程度には特別な存在というロールプレイです。
 作中のクエストとは内容が違う場合がございます。というか違います。
 あと結局SSは撮り直しました。




 バイルガルチ鉱山の山賊を片付けた事を聞いたファルクリースの首長は上機嫌で私達をファルクリースの従士に任命しようと言ってきた。
「しかし、この肩書きを与えられるのは、ここの誰もが知っている者だけだ」
 そう言葉を続けた首長は、このファルクリースでアーケイの祠の管理をしている司祭ルニルが日記をなくしたらしいので探し出してやってくれと条件を出してきた。
 要するにまた困り事を押し付けられたってワケ。
 まあ、日記を探し出すくらいならたいした事ないだろうと引き受けて早速アーケイの司祭のルニルに会いに行った。

 驚く事にルニルはアルトマーだった。
 しかも、先の大戦(シロディールの帝都が一度は陥落したっていうアレね)ではアルドメリのバトルメイジとして戦っていたという。
「多くの者が私の手、魔術で死んでいった大戦の後、私はアーケイの啓示を受けた。ファルクリースの人々が私を仲間のように受け入れてくれたのを感謝している」
 そりゃ同胞を殺した相手に、その同胞の弔いを任せてるってんだから寛容って言葉じゃ足りないくらいだ。
 それとも、ここの人達はあまりにも死に触れすぎてしまったのか・・・

 かく言う私だってアルトマー憎しという訳でもない。
 現役のバトルメイジならいざ知らず、墓地でアーケイの司祭をしている人間まで云々なんて気はさらさらない。
「首長から日記をなくして困っていると聞いて来ました。力になれることはありますか?」
「おお・・・この年老いたエルフの頼みを聞いてくれるか・・・」

 ルニル・・・あーいや、ルニルさんの話では、ロリクステッドに行った帰りに少し寄り道したところで日記を置き忘れてきてしまったらしい。
 場所はサンガード砦の南、狩人がキャンプをしている場所の近くという事だった。
「で、言われた場所に来てみたけど日記は見付からない、と」
 ドロテアが若干あきれた様な目で見てくる。
 そう、ルニルさんの説明した場所に狩人のキャンプはあったけど、その近くの日記を置き忘れたという場所には何も無かった。
 ちょっとした記憶違いか風にでも飛ばされたかと周囲を散々探したけれど見付からないので、私たちは狩人のキャンプで少し休んでいた。
「いやー、そもそも日記をなくしたとか言うからてっきりタンスの裏でも探せば出てくるだろうと思ってたんだよねえ」
「そんな認知症の老人の相手みたいなことを首長が頼んでくる訳ないでしょ・・・」
「いや、ここに日記が無いってことは案外ルニルさんの家のタンスの裏に・・・」
「こらこら、失礼なこと言わないの」

「なあ、お嬢さん達の言ってるルニルさんてのはファルクリースのルニルさんかい?」
 さっきから私達の話を聞いていた狩人の男が声をかけてきた。
「そうよ。狩人さん知り合いなの?」
「ああ、なんでも知り合いの行商人がこの近くで襲われて死んじまったらしくてね。墓はファルクリースにちゃんとあるんだが、近くを通った時はここに寄ってくんだ」
「そうなんだ・・・」
 なんでルニルさんはこんな何も無いような場所で寄り道したのか疑問に思っていたけど、そんな理由だったのね・・・

「そのルニルさんが、この近くで日記を置き忘れちゃったらしいんだけど知らない?」
「うーん・・・日記ねえ。いつもここら辺で狩りをしてるから置き忘れてれば見かけててもいいようなもんだが・・・」
 どうやら狩人も心当たりはないらしい。
「これは手詰まりかなあ・・・」
「あ!いや待てよ」
 狩人が、はたと気付いたと顔を上げる。
「実はな最近、すぐ近くのサンダーストーン渓谷に怪しい奴らが住み着いてうろうろしてやがるんだ。ひょっとしたらそいつらが持っていったのかも知れん」

「これは・・・死霊術師か・・・」
 サンダーストーン渓谷の周囲は、骨と血痕だらけだった。
「それも一人や二人じゃなさそうだね。」
 中に入れば確実に戦闘になるだろう。
「でも、他にはアテもないし入るしかないわよね」
「そうだね。他にはタンスの裏くらいしかアテはないわよね」
 ドロテアが皮肉を飛ばしてくる。
「もーやめてよー」

 思ったとおりサンダーストーン渓谷は死霊術師やスケルトンの巣窟だった。
 それだけじゃない、多分かどわかされてきた農民と思われる死体も多数あった。
 しかし、それ以上に私たちの気を引いたのはアンガルブンデで見たあの壁だった。
「ここにも竜教団がいたんだ」
 私は壁を見上げながら言った。
「そりゃドラゴンのいた時代はスカイリム全土にいたはずだからね」
「ふ~ん、じゃあまたどこかの遺跡で見つける事もあるかもね」

 死霊術師たちのチェストの中でルニルさんの日記を見つけることができた。
「まったく・・・死霊術師ってのは碌な事しないわね。おかげでとんだ手間よ」
「で、アンタは何で他人の日記を勝手に読んでるのよ」
 ドロテアがジト目で見てくる。
「いや・・・一応、変な細工とかされてないかと安全確認を・・・」
「下手な言い訳しないでいいわよ。ルニルさんの事怪しんでたんでしょ?」
「うっ・・・まあ・・・アーケイの司祭と死霊術師に繋がりがあるなんて事になったら困るとは思ってたわ」
 ありえないとも言い切れないのがこの世界。
「で、何か見付かった?」
「何も・・・」
 内容はルニルさんの誠実な人となりがよく分かる至って普通の日記だった。
 アルドメリから隠れ、ファルクリースで人の死に向き合いながら、いまだに戦いの悪夢にうなされている老エルフの記録だった。
「じゃあ、ルニルさんに日記を返しにいきましょ」

「ありがとう。これは忘れてはならない後悔の記録なのだ」
 読んだことは黙ってルニルさんに日記を返すと、そうお礼を言ってきた。
「お身体を大事に。いつまでもお元気でいてください」
「ははは・・・老いたとはいえエルフだ。君より長生きするかも知れんよ」
 ルニルさんは優しく笑うとそう返した。
「人生はとても短いものだ・・・無駄にしないように」
  この老エルフはこれからもアーケイの祠を守って、やがて自分にもアーケイの祝福が訪れる日まで静かに暮らすのだろう・・・


 首長にルニルさんの日記を見つけた事を伝えると従士としての肩書きを皆に通知すると約束してくれた。
「これで晴れて"従士さま"ってワケね」
 宿屋デッドマンズドリンクのベッドの上で楽な格好になった私にドロテアは大げさなほどにうやうやしく頭を下げて言った。
「何言ってるの、ドロテアもよ」
「え?でも従士の枠って・・・」
「ひとつしか空いてないとは言ってないし、いつも一緒にいるんだから構わないでしょ」
「そりゃそうだけどさ」
 いいのかなあ?といった風で首をかしげる。
「大体、ここでの従士なんて名誉職みたいなもんじゃない。ずっとここにいる訳でもないし」
「あら?てっきりファルクリースに住み着くと思ってたわ」
「拠点になる家は持っててもいいと思うけど、私はまだまだ世界を見たりないわ」
「それはアタシも同感ね」
「つまり、ちょっとだけファルクリースで活動しやすくなっただけで今まで通りって事よ」
「じゃあ、今まで通りハチミツ酒で乾杯するとしましょう」
「いい考えね。私もさっきから飲みたくて仕方なかったのよ」
 私たちは、まだ酒場にいたルニルさんや他のファルクリースの住人たちと夜が更けるまで酒を酌み交わし談笑した。

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