盗賊ギルドが仲間内で使用している目印のシャドウマークの判別方法が記された本はもちろん、それ以外にもサルモールに関して書かれた「高まる脅威」や、伝説の三人衆の盗賊"ナイチンゲール"について書かれた本などなど。
本以外にも盗賊ギルドのメンバーが誰かに宛てたり、あるいはギルド外の人間からギルドメンバーの誰かに送られてきた手紙やメモが無用心に置かれていたりする。
「ここで読む分には構わんが外に持ち出したり、ここ以外で誰かから受け取ったメモなんかは中を読んだらすぐに破り捨てるか焼き捨てるかするんだぞ」
そう声をかけてきたのはシンリック・エンデル。
昔はひとりで活動する凄腕の監獄破りだったらしいが、ある時に仕事に失敗して3年ほどハイロックに投獄されて以来ひとりで活動することをやめて盗賊ギルドに入った男。
「盗賊の証拠になるような物はなるべく持ち歩くな。情報は全部頭に叩き込んでおくんだ」
なるほど、もっともな話だわ。
そして、その為には普段から様々な知識を頭に入れておかなければならない。
本を読んだり、最新の情報を手に入れたりしてね。
私は、この盗賊という生業にますます遣り甲斐を感じていた。
そんな事を思い出しながら私はオルフリッド・バトル・ボーンから受け取ったドラゴンズリーチの見取り図を頭に叩き込むと、見取り図をバトル・ボーン家の囲炉裏の火に投げ込んだ。
今、私がいるのはホワイトラン。スカイリムのほぼ中央に位置する都市だ。
そのホワイトランの首長が住む宮殿がドラゴンズリーチ、かつてオラフ王がドラゴンを捕らえたという伝説のある建物。
ここが次のターゲットという話なので見取り図とにらめっこしていたという訳。
事の起こりはこう。
デルビン爺さんが大きな仕事が入ったからホワイトランの依頼人に会いに行けと言われた私はホワイトランのバトル・ボーンの家で依頼人のオルフリッド・バトル・ボーンに会った。
バトル・ボーン家はホワイトランの名家で立派な家を持っていたから人目につかずに会うにはむしろ好都合だった。
依頼内容は、オルフリッドの戦友アーンという人物がスカイリムの首都ソリチュードで重罪の罪で追われていたため、ここホワイトランに逃げ込んだが酔って騒いで衛兵に連れて行かれた。
幸いまだソリチュードから手配書がまわってきていないためアーンの身元は割れていないが、アーンがこのまま捕まったままで手配書がまわってきたら間違いなくソリチュードの処刑台行きになる。
そうなる前にホワイトランの執政の部屋にある牢獄名簿を書き換えてアーンを出所させる、もしソリチュードからの手配書がすでにまわってきていたならば首長の私室にあるはずなのでそれを盗み出すの2点だ。
ホワイトランの執政と首長の部屋に忍び込むとなれば一筋縄ではいかないだろう。
私はオルフリッドにドラゴンズリーチの見取り図を用意するように言い、オルフリッドは流石にホワイトランの名家だけあってすぐにそれを用意すると各々の部屋の説明と侵入しやすい経路の説明をはじめた。
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