2016年8月17日水曜日

似非プレイ記 盗賊ギルド その8 白き小瓶

※ 盗賊ギルド関連のクエストのプレイ記ぽいものです。冗長や省略が多々あります。
※ 今回は盗賊ギルド関連のクエストではありません。




 ホワイトファイアルの二階に上がりうなだれるように椅子に座ったヌレリオンの姿を目にしたとき、私は彼がひどく老いた老人なのだと改めて認識した。
 この老人が一生涯懸けて探していた白き小瓶が割れていたと知ったらどれほど気落ちすることか・・・。
 とはいえ伝えないわけにはいかないだろう、小瓶は無かったなんて伝えてヌレリオンが他の場所を自分で探しに行くなんて言い出したらまたあの助手と言い争いになるだろう。
 正直に伝えるしかない。

「これは・・・言い伝えにある小瓶の外見そのものだ。しかし液体を納められなければ確かめるすべがない・・・これが自分で探し出さなかった事の罰か」
 私の手の中にある割れた小瓶をじっと見つめた後にヌレリオンはそう呟いた。
「では、どうやって壊したんだ?いや、お前に小瓶を傷つけられるだけの知識があるとは思えない。たとえ壊そうとしてもな」
 顔を上げ私に目線を向けるとそう吐き捨てるように言った。
 ずいぶんと失礼な言い草だが、ヌレリオンの顔に浮かんだあからさまな落胆の色を見ると私は何も言う気にはなれなかった。

「どちらにせよ、これで終わりだ。ご苦労だったなとっておけ」
 ヌレリオンは、私の手の中の割れた小瓶を受け取ると代わりに数枚の金貨を握らせた。
 正直、この老人の口の悪さには辟易していたし報酬の少なさには文句のひとつも言ってやりたかったが、私に手落ちはないとは言え老人の依頼が満足のいく結果にならなかったのも事実。
 言い争ったところでヌレリオンが余分に報酬を出すとは思えないし、そもそも私は欲しいのは盗むのが信条の盗賊だ。
 ニラナイ・・・いや、元はニルインか、の頼みじゃなければ探し物の依頼なんて受けない。
 それに、実を言うと白き小瓶のあった部屋にはクラルミルの残した錬金素材がけっこうな数あったんで採算は取れてるのよね。

 ホワイトファイアルから出て行こうとした私に、ヌレリオンの助手のクインタス・ナバレが声をかけてきた。
「力添えには感謝してるよ。先生は懐が寂しいときがあるもんでね。」
 そう言うと私に小銭袋を差し出してきた。
「小瓶は割れていたけど、これは報酬に値する仕事だよ」
 一旦は納得したのにそういう事をされるとなんともいえない気持ちになるわね・・・まあ貰うけど。
 ものはついでで、クラルミルの残した錬金素材を見てもらおう。丁寧に保管されていたとはいえ使えなくなっている素材もあるかもしれない。
「ああ、もちろん。ええと・・・これはデスベル、クリープクラスター、オレンジ・ダートウィング、シャウラスの卵・・・・・・」

 クインタス・ナバレに錬金素材を見てもらい、いくつか薬を調合してもらった後に、私はニラナイに事の顛末を話した。
「そう・・・白き小瓶が割れていたのは残念だったけど、ヌレリオンの魂が迷うことなくエセリウスへ送られるっことを祈るわ」
 いやまだ死んでないって。
「そ、そうだったわね。ともかく貴女はよくやってくれたわ。報酬は出せないけれど・・・」
 別にいいわよ。それよりクラルミルの墓の道中で拾った物がいくつかあるから買い取ってよ。
「ええ、もちろん。特別価格でご奉仕しますわ」

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