※ 今回は盗賊ギルド関連のクエストではありません。
その日のうちにはカースワステンに着いた。
村の入口に都合よくここの鉱山の所有者アイネサックがいたので件の少女に心当たりがないか聞いてみた。
「それならエンモンに話してみるといい。お前が探している女の子、フョトラの親だ。ただ…いや、会えばわかる」
意味深に言葉を濁してアイネサックは家の中に入っていった。
ん~…なにやら厄介事が起こってるみたいね。
少女が反抗期とか。ディベラの巫女が反抗期って冗談にもならないけど。
鉱山の近くにいたエンモンはリーチの民特有の戦化粧を施した男性だった。
ひどく沈んだ顔をしている彼に娘のフョトラに会いにきたことを伝えると彼はこちらを向きこう言ってきた。
「フョトラは連れ去られた。フォースウォーンが急襲してきて…他のものには一切手を触れず、娘だけを…」
なに!?そうかアイネサックが言葉を濁したのも貴方が沈んだ顔をしているのもそれが原因ね。
それで、フョトラを取り返しに行かないの?
「そうしたいが一人では無理だし、ここには戦いの経験のない労働者ばかりで…衛兵に知らせても俺たちのために働いてはくれないだろう」
ああ…そうね。 衛兵のほとんどはノルドだし、ここリーチは特に因縁深い土地だものね。
わかったわ、私がフョトラを助け出してくるわ。
「救ってくれたら本当に感謝する。でも見ず知らずのアンタがなんでそこまでしてくれるんだ?」
フョトラはディベラのシビュラなのよ。
私はディベラ聖堂の神官に頼まれて彼女を迎えに来たの。
「え…本当か?それは…夢にも思わなかった。もちろん、彼女はマルカルスにいるべきだ。一緒に行くよ。」
いえ、その必要はないわ。フョトラを連れ去ったフォースウォーンの場所さえ分かれば一人で十分よ。
「あ…ああ、それなら分かる。ブロークンタワー砦のフォースウォーンだ。間違いない」
思い当たるフシがあるの?
「見知った顔があった。彼らは今まで特に問題を起こしたことはなかったんだ。狩りの獲物を売りにきたことも何度かあった。肉とか毛皮とか」
ふむ、それが突然襲ってきた…フョトラをディベラのシビュラに選ぶ神託が下りたとたんに、彼女だけを狙って…。
ブロークンタワー砦に着くと砦の前で戦闘が起こっていた。
砦のフォースウォーンと通りすがりのエルフが闘っている。
今まで大きな問題を起こしていなかったというフォースウォーンが砦の前を通っただけの特に敵対しているわけでもない勢力に戦いを仕掛けるなんて特別な何かが起こっているようね。
彼らの戦闘が終わるのを待って、私は砦に忍び込むことにした。
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