2014年5月18日日曜日

エセリウム戦争 02 - 似非プレイ記 -

※ 忘却の彼方を未プレイの方はご注意ください。
※ 改変や冗長や省略している部分が多々あります。




マルカルスを通り過ぎたブサーダムズの先にエセリウムの破片の一つはあった。
 ドゥーマーが消えて数千年、ずっとここで野ざらしだったんだろうか?それだけでも一つの奇跡ね。
 私が破片を取ったのを見るとカトリアはさっさと次の遺跡に向かってしまった。少し落ち着きなさい、あなた。


三つ目の遺跡はモーサルを過ぎて東の山間部にあった。
 近くにもう一つドゥーマーの遺跡があるから、どちらの遺跡に行くかとずいぶん悩んだが結局自分の勘に任せることにした。いや、ここは"冒険者の勘"とでも言っておきましょうかね。
 "冒険者の勘"…良い言葉よね。当たってたらこの上なく自慢げな顔ができるし、外れてても「そんな時もあるわよ」で済ませられる。
 まあ、今は一人だから意味ないんだけど……。

遺跡は盗賊の寝座になっていた。
 できれば争わずに通してくれればなんて考えていたが、そうそう話は上手くは運ばず結局盗賊達は全員お眠りいただいた。

 盗賊達の所持品の中に「エセリウム戦争」があった。誤解のない様に言っておくけど彼らの懐を漁った訳じゃなくて目に付くように石のテーブルの上に置いてあったのよ。本当よ。
 コホン……ともあれ、盗賊達は単にここを手ごろな寝座にしていたって訳じゃなくてエセリウムが目的だった可能性が出てきたわね。"冒険者の勘"…は当たりかな?

 エセリウムは大した価値はないって書いてあるのに盗賊が狙うかって?
 こういうケースは大抵「依頼人」が存在する。そこら辺の盗賊やごろつきを雇って先遣隊として遺跡を探索させる。
 目的の物を持って返ってくればよし。失敗しても罠を作動させてたりオートマトンの一体でも片付けておいてくれれば後から来る「本隊」が楽をする。しかも、先遣隊が全滅すれば依頼料は払わなくて済む。
  依頼人もまた堅気の人間じゃない場合が殆どね。

 かくいう私も過去にそんな依頼を受けた事がある。もちろん目的の物を手に入れ生きて返ってきたし、依頼料を踏み倒そうと襲い掛かってきた依頼人を返り討ち……いや、今はその話はいいわね。
 「本隊」が来るとしても、まだ時間の余裕はあるだろうけれど先へ進むとしましょう。



遺跡の奥は御多分に漏れずファルマーの棲み家だ。 彼らは眼が見えないから音を立てないように気をつけて進めばやり過ごす事も不可能ではないが、眼が見えないだけあって聴覚が非常に鋭い。
 しかも、シャウラスという毒を吐く虫と一緒にいる事が多く、こちらは眼が見えるので近付いたら襲ってくる。そうなればもちろんファルマーにも気付かれる。
 彼らの棲み家のド真ん中で彼らに気付かれようものならまず間違いなく命を落とすだろう。

上手くやればオートマトンと戦わせて漁夫の利を得るなんて事もできるけどね。


エセリウムの破片の前ではカトリアが急かす様な顔をして待っていた。
 4つ目のエセリウムの破片。これで全部そろったみたいね。
「それが最後の一つだね?…いよいよだ。じゃあ鋳造器具の所で!」
 またそれ!人の話も聞かずにすぐ消える!落ち着きなさいっての!
 叫んだところで彼女はもう行ってしまってる。仕方ない、確かこの部屋の反対側に外へ出られる仕掛けがあったはずだ。


遺跡に潜ると、どうも時間の感覚が狂うわね。
 彼女に合わせて動いてもこちらの身体が持たないわ。次の目的地もはっきりと場所が分かっている訳じゃないし一旦戻って休もう。

家に戻るとビルギッタはすでに床に就いていた。オートマトン並に時間に時間に正確な彼女が寝ているという事はもう夜半過ぎだろう。
 私は彼女を尻目に自分のベッドへと滑り込んだ。

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