※ 盗賊ギルド関連のクエストのプレイ記ぽいものです。冗長や省略が多々あります。
「ソリチュードに行き、エリクールに会え。」
ラグド・フラゴンのテーブルに着いて一見小難しそうな顔をしているデルビン爺さんは、それでも上機嫌さが隠せない様子で僅かに口角を上げて私に特殊任務をまわしてきた。
このところ盗賊ギルドの仕事は順調でウィンドヘルムとホワイトランには強い"つなぎ"ができて、盗賊ギルドの本拠地であるここラグド・フラゴンには商売人も増えた。
上機嫌にもなろうというものだ。
手前味噌だけど、その順調な盗賊ギルドの仕事の一端とも言えない程の量の仕事をこなしているのが私。
奇遇なことに、私が盗賊ギルドに入ってからというもの衰退の一途だった盗賊ギルドが昔の栄光を取り戻そうかとするかのように仕事がうまく回りだした。
「彼はある種のサクラを使う仕事をしている。彼はお前のことを必ずしも手放しで歓迎しないだろう。だが焦りは禁物だ。この仕事を立派にこなせば、我々はそこで大事な友人を作れるんだ」
まあ、一般的には好ましく思われないのは分かってるわ。
「やっと来たか」
驚くことにエリクールとはなんとソリチュードで従士を務める男だった。
ここスカイリムの首都で上級王が住むブルーパレスにも出入りする従士が盗賊ギルドに依頼とは……。
わざわざブルーパレスでそこの従士といかがわしい話をする必要はない。私は彼が自宅に戻ったところを見計らって彼に接触した。
「信用できない者と取引する習慣はない。だからデルビンに最も優秀な者をよこすよう依頼した。」
だから私が来たのよ。
「ふん、それはまだ分からないな。約束を破られるほど苛立たしいことはない。商売に悪影響を及ぼすし時間も無駄になる。」
どうやらこのエリクールという男、いわゆる一般的な肉体派のノルドではなく頭を使ってのし上がったタイプらしい。
ノルドの中では珍しいけれど、商売上手で知られるインペリアルもノルドと同じネディック人をルーツに持つらしいし不思議な話ではないのかもしれない。
「本題に入ろう。デインティ・スロード号のヴォルフ船長は合意済みの貿易協定を無視し、私の忍耐力を試そうとしている。
奴に過ちを気付かせるため、スロード号にこっそり乗船し、密輸品を置いてきてほしい」
濡れ衣を着せて監獄送りにしようって訳ね。
その手の仕事は初めてじゃないし、盗賊ギルドに入ったきっかけだって…いや、その話は今はいいわ。
「 そんじょそこらの盗品を仕込んですぐに釈放されるような罪で済ませようって話ではない。
港に停泊しているレッドウェーブ号の一等航海士サビーヌ・ナイッテからバルモラ・ブルーを手に入れてそいつをヴォルフ船長の手荷物へ仕込むんだ。」
バルモラ・ブルー…?それはそんなに大層な代物なの?
「スクゥーマと同じ原料のムーンシュガーから作られる薬だ。効力を高めるために様々な材料が加えられているが詳しくは分からん。
モロウィンドのバルモラがまだ健在だった頃は裏の人気商品だったが、今では貴重品どころではない。
もちろん厳しく禁じられている。所持して捕まれば、やたら長いこと監獄でくすぶる事になる。
お前がお膳立てをすれば、あとは俺がやる。下船しているヴォルフ船長が船に戻った時に、役人が待ち構えているという寸法だ」
こっちだって盗む以上のことをするつもりはないわよ。
デインティ・スロード号の正確な場所を聞いたらさっさと仕事に取り掛かるわ。
私はバルモラ・ブルーを手に入れるためにレッドウェーブ号の一等航海士サビーヌ・ナイッテに接触した。
サビーヌは一等航海士というよりは用心棒といった方が似合うような、重装に大きな戦槌を背負った女だった。
「私のところに来て正解ね。タムリエルであれを手に入れられるのは、もうここだけだもの。モロウィンドのバルモラは今は灰の下。バルモラ・ブルーの材料や調合方法を知る人間は他にはいない。当然、値段はそれ相応のものになるけど、買う気はある?」
彼女の提示した金額はとんでもないものだった。
全く手が届かないって額ではないけれど、まともに払ったら大赤字だ。
「 非合法の密売品が高すぎたみたいでごめんなさいね。次の商人ギルドの会議に提起するといいわ。」
彼女は値段の交渉には応じず皮肉たっぷりにそう言った。
値引きをする気は一切ないようだ。
「 値段は分かったでしょ。その気になったらいらっしゃいな。」
ところがぎっちょん実をいうと最初からまともに買い取れるとは思ってはいなかった。
私はサビーヌ・ナイッテに接触する前にレッドウェーブ号に忍び込みバルモラ・ブルーを盗み出すべく物色していた。
目的のバルモラ・ブルーは見つからなかったものの、船底でサビン宛のメモを見つけた。内容は停泊しているレッドウェーブ号付近の水底にバルモラ・ブルーを入れた宝箱を沈めていて、その宝箱はサビーヌが持っている鍵でしか開かないというものだった。
鍵開けに挑戦するのはやぶさかでないけれど、水の中でそれをやる気にはならない。もし私がアルゴニアンだったら話は別だけど。それに鍵を持った人間がすぐそばにいるなら、そいつから鍵をスリ取った方が早い。
という事でサビーヌに接触して彼女と取引をするふりをして鍵をスリ取ったわけ。
水底の宝箱から無事にバルモラ・ブルーを回収した私はデンティ・スロード号に向かった。
0 件のコメント:
コメントを投稿