2015年4月12日日曜日

似非プレイ記 ニルヘイム~サレシ農場


※ ドヴァキンかも知れないしそうではないかも知れない、冒険者として生きていける程度には特別な存在というロールプレイです。
 作中のクエストとは内容が違う場合がございます。





 道端でへたり込んでいる男が話しかけてきたのは陽も傾きかけ帰途に着こうかとしていた時だった。
 散乱した荷車とその荷に囲まれたその男はテルラヴといい、山賊に襲われて荷の大半を奪われてしまったという。
「近くのニルヘイムで野営してるんだ。そこまで無事に連れてってくれたら礼はするよ」
 荷を奪われた商人がどれ程の礼を出せるというのか。
 いや、そもそもこの男・・・。

「橋を渡ってあの丘を登った所だ。」
 テルラヴは、へたり込んでいたことなど忘れたかのように急かすように歩く。
 棄てられた砦だろうか?前方にノルド様式の小さな建物見えてきた。
 しかし、ニルヘイムとはどことなく冷たい氷の国を連想させる名前だ。不吉という事はないだろうけれど。

「マヌケを連れてきたぜ!」
 テルラヴが突然そう叫んだ。
 その声を聞いて武器を構えた山賊たちがわらわらと出てきた。
「やっぱりそういう事だったのね!」
 そう、テルラヴが山賊に襲われたというのは嘘。実は山賊の一味で獲物を誘き寄せる役だったってわけ。


 もちろん、私は誘き寄せられているのも全てお見通しだった・・・と言いたい所だけれども、この数を一人で相手にするのは少々難儀だ。
 特に離れて矢を射てくるテルラヴがうっとおしい。 ならば・・・。

 私はなるべく一度に複数を相手にしないように橋まで後退する。
 よし、この位置なら大丈夫。私は、吸い込んだ息を一気に吐き出すように雄叫びを上げる。
「-----!」
 バトルクライと呼ばれるノルドのみが使える力。
 この雄叫びを"浴びた"者は恐怖に取り付かれ正気を取り戻すまでの間逃げ出してしまう。
 スゥームという昔のノルドが誰でも使えた力(今でも修行を積めば使えるらしい)の残滓のようなものだとか、ノルド流の幻惑魔法だとか力の源はよく分かってないらしい。
 一日に一度しか使えないのが玉に瑕だけど。

 テルラヴ以外の山賊が逃げ出したところで一気にテルラヴに近寄って打ち倒す。
 遠距離武器の奴は近付いてしまえば大抵の場合は敵ではない。
 そして、山賊が正気を取り戻して戻ってきたところを各個撃破していくのは難しい事ではなかった。

 まったく・・・こんな古典的な方法をまだ続けてる山賊がいるとはね。
 とはいえ、こういう分かりやすい悪党ならこっちの心も痛まないというものだ。
 もう、陽が沈みかけている。今日はこいつらの寝床を借りるとしよう。ま、借りるといっても返す相手はもういないけど。


 翌朝、行きがけの駄賃とばかりに山賊の荷物を漁っていた時に嫌なものを見付けてしまった。
 こういうのは心が痛むのよねえ・・・




 ニルヘイムからそう遠くない場所にあるサレシ農場。
 姉のアブルサ、妹のアデュリの二人のダンマーの姉妹が運営している小さな農場だ。
 二人でとは言うものの、妹の方はほとんど手伝いもせずに遊びまわっているために姉が一人でやり繰りしているようなものだ。

 この農場はニルンルートという珍しい植物を育てている、珍しいというか種からニルンルートを育成できるのはアブルサだけらしい。
 そのニルンルートの育成に必要なジャズベイ・ブドウが不足しているという事だったので私が手配してこようと話を持ちかけた。
 確か自宅の錬金素材入れの中に結構な数の蓄えがあったはずだ。

 農場から出る時にアデュリに会った。
 あなたホントしっかりしなさいよ。いや、私も先祖(というか遠縁の人)の一人はモロウィンドで騙されて裸にひん剥かれていたって聞いてるから強くは言えないけど。
 まさか、あなた達その人と知り合いじゃないわよね?
 昔、ヴィベク・シティで錬金屋をやってたって事は200年以上は生きてる計算になるし・・・あ、早々にジャズベイ・ブドウを持ってきて依頼を終わらせましょ。

 サレシ農場に戻ってきたら二人がなにやら揉めていた。
 いつもの事なんだろうけど・・・う~ん、話しかけ辛い。

 アブルサが一人になった時を見計らって彼女に依頼の品を渡した。
 彼女は謝礼として自分で作ったらしい薬を渡してきた。
 ありがとう。いつかまた錬金屋を開けるといいわね。



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ニルヘイムでの戦闘は本文では楽勝だったように書いてますが実際は割と苦戦してます。
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